設立趣旨

 世界の水産物需要が増大し続ける中、海面漁業生産量は頭打ちとなっており、安定的な水産物供給のため、養殖業の重要性はますます高まっています。一方で、海面養殖適地の制約、環境負荷の低減といった問題から、海面養殖の拡大には限界があります。このような状況の中、近年、養殖施設の設置場所に関する制約が少なく、海面・内水面養殖に比べ、高い生産性の実現が可能となる「陸上養殖」が注目されています。
 日本人にとってなじみの深いエビ類についてみてみると、国内のエビ類の自給率は10%内外にとどまっており、2017年には年間23万トンを輸入しています。このうち半数以上が東南アジアから輸入されていますが、海外では養殖池の開発によるマングローブ林の破壊、病気の発生によるエビの大量死が大きな問題となっています。
 「ISPS(Indoor Shrimp Production System:屋内型エビ生産システム)」は、こうした問題の解決のために、従来の閉鎖循環式陸上養殖システムを改良・発展させた、薬剤を一切使用しない、環境負荷の低いエビ養殖技術です。一般社団法人ISPS推進協議会は、ISPS技術の向上とその普及を通じ、国内外において安心・安全かつ美味しいエビ類をはじめとする養殖魚介類の安定供給を実現することを目的に設立されました。


バナメイエビ Litopenaeus vannamei